WEB版すいせん [2019年1月号]

介護ロボットの開発に向けた協議会の設置

(株)坂井在宅総合サポートセンター
田嶋 神智

 

日本の高齢化は、世界に例を見ない速度で進行しており、介護人材不足が大きな課題となっている。介護分野の人材を確保する一方で、限られたマンパワーを有効に活用する解決策の一つとして、高齢者の自立支援を促進し、質の高い介護を実現するための、ロボット・センサー等の活用が期待されている。  現在、ロボット技術の介護現場における利用は、様々な分野で、様々な主体により取り組まれているが、実際には使い勝手の問題で導入したものの、使われていない施設等も多い。また、導入を希望しているがコストの面で厳しいといった切実な問題も聞かれている。

今後、さらに介護現場で有用性の高い介護ロボットの導入を推進するためには、介護ロボットを導入する介護施設等において、解決すべき課題(ニーズ)を調査し、それを解決するための要素技術及び周辺技術(シーズ)とマッチングさせ、施設における介護業務の中で、より効果的な介護ロボットの開発が促進される事が重要である。

介護ロボット等について開発すべきテーマや具体的な機能などを提案すること、また、自立支援等による利用者のQOLの維持・向上と、介護者の負担軽減の両方を実現するために、介護現場のニーズを真に汲み取って開発シーズとつなげられるようにすることを目的として、(一社)日本作業療法士協会は厚労省の委託を受け、全国50か所に「介護ロボットのニーズ・シーズ連携協調協議会」(以下、協議会)を設置した。

この50か所の協議会は、提案した介護ロボットの設計・制作まで行っていく推進枠と、介護業務上の課題解決のための新規ロボット等のニーズとアイデアまでを行う一般枠に分けられている。

介護ロボットのニーズ・シーズ連携協調協議会キックオフ会議,厚労省説明資料より引用

福井県では平成30年8月4日に一般枠として協議会を設置した。委員は、委員長を作業療法士とし、県長寿福祉課、新産業創出課、工業技術センター、福井工業大学、開発企業、県介護実習普及センター、介護現場、福祉機器や介護ロボットに精通した専門家(プロジェクトコーディネーター)で構成している。

実際の協議会の活動として、まずニーズ調査のために、県内の医療介護施設に「介護ロボットのニーズに関するアンケート調査」を実施している。また、県内2か所の介護施設において、介護ロボットの現状や未来に向けた実用可能な介護ロボットの開発につなげるための様々な現場の声を聴く「意見交換会」を実施している。

このニーズをシーズとマッチングするために、4回/年の協議会をはじめ、ワーキング会議、打ち合わせ会等多くの会議を重ね、現場で必要とされている現実的な介護ロボットの開発の提案ができるまでに至っている。

介護の人材不足や利用者の自立支援に向けた取り組みの中、介護ロボットの活用により介護職員の負担を軽減し、サービスを安定して提供できるようにするためにも、我々作業療法士の知識や技術に期待されている部分は大きい。今後さらに、他職種と連携しながら専門性をより明確に打ち出していかなければならないと感じている。

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